文京区は坂が多い。
なんてことは、改めて言われずとも文京区に住んでいれば自然と分かるもの。
たぶん区内のどこに住んでいても、外に出れば右を向いても左を向いても坂道だらけ。
もしかすると最寄の駅に着くまでに、3つくらいの坂を上り下りするという人も多いのではないでしょうか。
護国寺だって例外ではなく、街のど真ん中を走る音羽通りこそ江戸川橋につながる平坦な道ですが、あとはどこに向かうのも上り坂。
池袋に出かけるにも、茗荷谷に向かうにも、雑司ヶ谷に向かうにも、どこへ行くにも坂を上らないと辿りつくことはできません。
文京区、そして護国寺の住人にとって「坂道」は日常生活の一部と言っても良いでしょう。
そこで今回は、護国寺駅周辺にある、主要な坂道の名前と名前の由来についてご紹介したいと思います。
ただし、紹介するのは名前と簡単な由来のみ。
なぜなら名前のほとんどが江戸時代以前につけられたものであり、真偽や諸説がいろいろあること。
そして、正確に紹介しようとするとサーバの容量がいくらあっても足りないくらい膨大なものとなるからです。
なので、ちょっとした豆知識ていどだけ紹介させていただいて、詳しくは他のサイトや資料で調べていただけましたら幸いです。
目次
はい、けっして手を抜いているわけではありません。
護国寺周辺の主要な坂道10選
それでは、順番に見ていきましょう。
富士見坂-ふじみざか
護国寺が面する不忍通りを茗荷谷方面に向かって伸びる坂道が「富士見坂」。
坂上の標高は28.9メートルですが、晴れた日には富士山が見えるので「富士見坂」という名前がつけられています。
元々は狭くて、もっと急な坂道でしたが、1924年に路面電車が通ったことで整備されました。
坂上から富士山が見えるのはかなり稀。たぶん空気の澄んだ冬の晴れたくらいにしか見れないのではないでしょうか。
清戸坂(清土坂)-きよとざか
富士見坂と同じく不忍通りの一部で、目白台方面に向かって伸びる坂道が「清戸坂」。
昔は目白通りのことを清戸道と呼んでいて、清戸道に向かう坂道であるから「清戸坂」という名前がつけられています。
また、雑司ヶ谷一体の旧地名が、雑司ヶ谷村小名清土だったことから「清土坂」とも言われます。
秋になると両脇のイチョウが黄色く染まるとても綺麗な坂道です。
小篠坂(小笹坂)-こざさざか
護国寺から池袋方面に向かって伸びる坂道が「小篠坂」。
名前の由来は、笹が繁っていたから…みたいです。
頭上を首都高5号線が走り、片側4車線と護国寺周辺でもっとも交通量の多い坂道です。
池袋で終電を逃したときは、この道を歩いて返ってくることになりますが、夜は人通りが極端に少なくなるので気をつけましょう。
薬罐坂(夜寒坂)-やかんざか
前述の清戸坂を少し上り、インド・ネパール料理「LAXMI(ラクシュミー)」さんの脇を目白台方面に上る坂道が「薬罐坂」。
名前の由来は、野干(犬や狐)が出たり、薬罐(やかん)のような化け物が出たりすることから名づけられました。
夜さむの里道という呼び方をする人もいたようです。
犬や狐が出るというのは分かりますが、やかんの化け物とはどんなものなのでしょうか。
いずれにせよ、名前の由来からして、かなり寂しい坂道だったようです。
希望の坂-きぼうのさか
不忍通りから、青柳小学校に入る短い坂道が「希望の坂」。
昭和53年に、青柳小学校に通う生徒の間で名前を募集し、名前が決まりました。
小さなわき道なので、名前が付いていることに驚く人も多いと思います。
坂道は古くに名前がつけられたものが多いですが、比較的新しい時代に名づけられた坂道です。
三丁目坂-さんちょうめざか
大塚警察署から目白台方面に向かって伸びる坂道が「三丁目坂」。
このあたりは、旧音羽三丁目だったので「三丁目坂」という名前が付きました。
音羽の一丁目と二丁目の境となる坂道で、これまで一丁目側にしか歩道が付いていませんでしたが、大塚警察署の立替に伴い、二丁目側にも歩道が付きました。
朝夕は大変混雑する坂道です。
コクリコ坂-こくりこざか
大塚警察の向かい、ベーカリーショップ「CRANE(クレイン)」さんの脇を茗荷谷に向かって伸びる坂道が「コクリコ坂」。
ジブリのアニメ「コクリコ坂から」が名前の由来。
ただし、モデルにしたというわけではなく、原作の担当者が坂下のレストラン「コクリコ」で打ち合わせをよくしていたから名づけられたそうです。
音羽の住民が茗荷谷駅を利用するときによく使う坂道で、リーズナブルな運賃で区内を移動できるB~ぐるも通っています。
鉄砲坂-てっぽうざか
ファミリーマート音羽一丁目店の裏側あたりから目白台方面に向かって伸びる坂道が「鉄砲坂」。
江戸時代には的場と呼ばれる射撃練習場があったことが名前の由来です。
距離は長くありませんが、かなり急斜面の坂道。体調が悪いときや雨が降ったときは上れないくらいです。
たぶん、護国寺で一番辛い坂道ではないでしょうか。
坂下では八百招地蔵様が見守っています。
鳥尾坂-とりおざか
音羽通りを森田歯科さんの脇に入り、関口台公園の横から目白台方面に向かって伸びる坂道が「鳥尾坂」。
旧長州藩の鳥尾小弥太さんがこの辺りに住んでいたから「鳥尾坂」という名前がつけられました。
前述の鉄砲坂に並ぶ急斜面の坂道ですが、道が広い分、やや「鳥尾坂」のほうが緩やかに感じます。
鼠坂-ねずみざか
音羽通りを音羽歯科くりにっくさんの脇に入り、小日向方面に向かって伸びる坂道が「鼠坂」。
小説家・森鴎外の著書のタイトルにもなった坂道で、鼠の通るような坂道ということで名づけられました。
護国寺周辺で最も有名で、遠くから見に来られる方も多い坂道です。
階段と坂道が両方併設されているのが特徴で、たぶん階段を使った方が楽に上がれます。
まとめ
以上、護国寺周辺の坂道10選を見てきました。
上り下りに苦労する坂道ではありますが、名前の由来だけでも知っているとちょっとは楽になるかと思います。
文京区には、他にもたくさんの坂道があるので調べてみてはいかがでしょう。
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